器のマニュアル

大切に使用していただくために

陶器と磁器について

焼き物には大きく分けて陶器と磁器の2種類あり、それぞれ特徴があります。ここでは一般的な特徴を紹介しています。

【陶器の特徴】 
陶器は「土もの」と言われ、陶土(粘土)を原料としています。800~1250度で焼き上げ、磁器に比べて柔らかくぽってりとしたものが多く、吸水性があります。釉薬を施された器には吸水性が低くなっているものもあります。陶器は熱伝導率が低く、熱しにくく冷めにくいという特徴があります。信楽焼や益子焼、美濃焼や瀬戸焼など、日本では多くの有名な産地があります。

【磁器の特徴】
磁器は「石もの」と言われ、 陶石を粉砕した石粉を原料としています。1300~1400度の高温で焼かれ、ガラス質が多く含まれているため、硬くて透明感があります。磁器は熱伝導率が高く、熱しやすく冷めやすい特徴があります。また、陶器に比べて、薄いものが多く、白く透き通っています。吸水性ははぼありません。有田焼や九谷焼がこれにあたります。

陶器の取扱い注意点

ここでは、一般的な注意点について掲載しています。一言に「陶器」と言っても、製造者や製作方法により注意点は異なります。

  • 吸水性のある陶器を使い始めるときは、米のとぎ汁で煮沸すると、シミや匂いがつきにくくなります。(※詳細は「目止めについて」をご参照ください。)
  • 釉(うわぐすり)に鉱物が使用されているものや繊細なものも多いため、電子レンジのご使用は避けてください。
  • 使用後に洗剤や水に長時間浸けおきしたり、食器洗浄機のご使用はせず、ぬるま湯か中性洗剤でさっと洗ってください。
  • 陶器は湿気を嫌います、カビを避けるためよく乾いてから食器棚にしまってください。

目止めについて

陶器は目止めをしなくても使用することは可能ですが、きれいな状態のまま長く使用する為に、ひと手間かける作業です。貫入(細かいひび割れが入ったような模様の釉)が施されている器や、重ね焼きをすることで釉がかかっていない部分がある器は、その部分からシミや匂いが付くことがありますので目止めをおすすめしています。※ただし、製作者がすでに目止めを行っている場合や、逆に目止めを推奨しない商品もありますので、商品ページの注意点を必ずご確認ください。

  1. 目止めには米の研ぎ汁を使いますが、研ぎ汁がない場合は、小麦粉や片栗粉でも代用できます。でんぷん質が陶器の凹凸に入り込んで、隙間をふさいでくれ、汚れやシミ・匂いが付きにくくなります。
  2. 鍋に米の研ぎ汁を入れ(器がかぶるくらい)、弱火で20分ほど煮沸します。研ぎ汁がない場合は、小麦粉か片栗粉を大さじ1~2ほど入れてよく溶かしても代用できますが、鍋の大きさにより粉の量は加減してください。
  3. 煮沸が終わったら火を止め、自然に冷めるまで放置してください。冷めてから器を取り出し、水でぬめりを洗い流してください。
  4. 洗ったあとは、完全に乾くのを待ってから、食器棚にしまってください。

ガラス製品の取扱い注意点

当サイトで取り扱うガラス製品は、耐熱ガラスや強化ガラスではない商品や、ガラス特融の気泡が入っている商品も多くあります。安全に長くご使用いただくために、取扱いには十分注意してください。製造者や製作方法により注意点が異なります。商品ごとの特徴や注意点については、各商品のページに掲載しておりますので、ご使用前に必ずご確認ください。

  • 電子レンジ、直火やオーブンでのご使用はしないでください。
  • 熱湯を注ぐと割れることがあり危険です。
  • 冷凍庫でのご使用はできません。
  • 急激な温度変化で割れてしまう可能性があり危険ですので、急加熱や急冷はおやめください。
  • 食器洗浄機や食器乾燥機のご使用は避けてください。
  • 中性洗剤と柔らかいスポンジを使用して洗ってください。研磨剤や金属製のタワシは使用しないでください。

器のかたち

【皿】一般的な丸い形から、四角や花の形のものまでいろいろな形があり、用途とデザインなど好みに応じて多くの選択肢があります。

  • 丸皿…ごく一般的な丸い形をした皿。楕円形のものは楕円皿やオーバル皿という。
  • 角皿…長方形のものは長角皿、正方形のものは正方皿や四方皿という。
  • 深皿…少し深さのある皿。汁気のある料理やカレーなどを盛るのに丁度いいお皿です。
  • リム皿…リムとは縁のことで、お皿の縁が一段高くデザインされている皿をリム皿と言います。料理を盛り付けると華やかになります。深さがある場合はスープ皿としても使用できます。
  • 輪花皿…お皿のフチを花びらに見立てて作られた皿。モチーフにした花の名前をつけて、マーガレットや菊花などと呼ぶこともあります。
  • 隅切り皿…角皿の四隅の角をとってデザインされた皿。
  • 六角皿…六角形の形をした皿
  • 八角皿…八角形の形をした皿
  • 木瓜皿…日本の家紋の「木瓜(もっこう)」をかたどったデザインの皿。

【わん】陶磁器は「碗」の字を書き、木製の器は「椀」と使い分ける。日本の食卓に欠かせない、ごはんや汁物をよそう器です。

  • 飯碗…いわゆる、ごはん茶碗。
  • 汁椀…味噌汁などの汁ものをいれる木製の器。
  • …飯碗よりも大きめの器で、丼物や麺物を盛る多様碗。

【鉢】少し深さのある器を鉢と呼んでいますが、様々な形状があります。懐石料理で出される「向付」や「預け鉢」等が鉢の類ですが、日常生活ではあまり馴染みがないので、当サイトではシンプルに分かりやすく「平鉢」「深鉢」または「大鉢」「小鉢」といった表現にしています。明確な区別が難しいので

  • 平鉢…浅めの鉢を総称したもの。
  • 深鉢…深さのある鉢を総称したもの。
  • 大鉢…大きめの鉢を総称したもの。
  • 小鉢…小さめの鉢を総称したもの。
  • 銅鑼鉢…銅鑼(法要の際に用いる打楽器)に形が似ている鉢のこと。
  • 菊割鉢…菊の花を形どった鉢。
  • …ひし形を形どった鉢
  • 片口…一方にだけ注ぎ口が付いた鉢。酒器として作られているものもある。

ちなみに向付(むこうづけ)とは、懐石料理のごはんと汁物と一緒に出される鉢で、膳の向こう側に置くため向付と呼ばれています。深い鉢を深向(ふかむこう)、浅い鉢を平向(ひらむこう)とも言います。また、預け鉢とは、懐石料理の終盤、基本の献立のあとに出される料理で人数分が盛り付けられて取り箸がそえられるものです。店の主人がお客に預けて自分たちで取り回すことから預け鉢というそうです。

器のサイズ

和食器のサイズは○寸で表記されることが多く、慣れていないとサイズ感を掴むのが難しくピンとこない場合があります。器のサイズの目安として、サイズを確認したいときに参考にしてください。ちなみに1寸は約3cmです。平皿のサイズを参考値に載せていますが、鉢の場合も同様の考え方になります。

【大皿】八寸皿~(約24cm以上)
大きめのお皿に盛り付けたおかずを家族で取り分けて食べたり、料理の存在感も増すのでホームパーティーでも役立つサイズです。パン、サラダ、おかずを一枚皿に盛り付けてワンプレートのような使い方も手軽でおしゃれ、おすすめです。

【中皿】六寸皿~七寸皿(約18~21cm)
パスタやハンバーグのように一人分の食事を盛り付けるには、ぴったりなサイズです。一人分のサラダやトーストにも向いていますね。日常的にいろいろな使いまわしができるので、便利な定番サイズの大きさです。

【小皿】四寸皿~五寸皿(約12~15cm)
料理を取り分けるにはこのサイズの小皿が必須です。おかずの取り皿だけでなく、朝のパンや目玉焼き、フルーツをのせたり、ケーキ皿としてもぴったりです。家族や来客時のことも考えて、少し余分の枚数を準備しておきたいサイズですね。

【豆皿】~三寸皿(約9cm未満)
漬物や薬味をいれたり、醤油皿やつけだれを入れて食卓にそえるだけで、食卓が華やかになります。お茶請けの和菓子はもちろん、チョコレートやナッツなどティータイムにおやつを添えるにも、おしゃれで丁度いい大きさです。